体系化学・ゼッタイのススメ

『体系化学』のススメ since 2009-01-27

『体系化学』ゼッタイのススメ −3−

  • written by Naoki Ishino

『体系化学』ゼッタイのススメ ・Comment & Guide 〈2〉



ここに記されているように、「納得できるレベルまで各回5回程度の演習」をして、事前提出答案でその腕試しをしてから授業に臨む、という修業的訓練をやり遂げたからこそ、授業では100%の吸収が可能となり、『体系化学』の背景と行間にこめられた多くの思いを、私と共有することができたのである。そして、同じ頂きに登り、同じ俯瞰を得たのである。

 いうなれば、私の十年余の歩みを、この学びの王道を通して、一年の間で一身上に繰り返したのである。その意味で、石埜君は、『体系化学』の最強の読者であり、No.1の実践者であると自他(=著者)共に認める存在なのである。

出典: GHSテキスト 『体系化学 セメント&ドリル』 イントロより

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『体系化学』ゼッタイのススメ ー3 私はこうして登り切った。

ー類題演習編ー
 GHS生には、類題演習テキストとして「体系化学セメント&ドリル」が配布される。この演習テキストによって『体系化学』の内容を深めていくのである。この演習テキストには各回ごとに『体系化学』の演習問題に対応した類題(類題といっても単に似ているという意味ではない)が収録されており、指定された範囲の類題を事前に解答・提出することによって、添削形式で授業が進行していく。
提出された答案の中身・質・レベルによって授業の内容そのものが、その時々に最も相応しい形に変化していくのである。これが著者との双方向対話」といいうる所以である。
 双方向であるがゆえに、ごまかしは一切利かない。自分が努力した分だけ得るものがある……ある意味、大変厳しいことが、その分だけ、愉しみも多い授業である。「解答→提出→授業」、この流れを繰り返すことによってどんどん『体系化学』の理解が深まってゆく。また演習力も格段に高まっていく。とにかくこの流れを崩さないことを心がけた。
 私は、「セメント&ドリル」類題演習の答案作成の前に、前記の事前準備をしていたわけだから、他科目との兼ね合いもあり大変ではあったが、授業を最高に実りあるものにするために、なんとかこのペースを維持できたことが入試での好結果につながったと思う。
 類題演習の授業にあたっての注意事項は、すでに述べたように、とにかく事前の準備をしっかり行って、頭の働きを作ってから取り組むということである。頭の準備が整っていない状態で類題演習を行うと、問題を用意した側の意図から完全にはずれた状態の思考し、的外れな解答をしてしまうおそれがあるからである。
 こうなると、微妙なニュアンスの違いを吸収したり、よくある誤解を解消したりと本来貴重なやり取りができるはずの授業で、「準備不足」、「要復習」、「根本的な誤解あり」という指摘を受けて、結局やり直す結果に終わってしまうことになる。これはあまりにももったいない。時間に追われて答案を期日までに提出することだけしか考えないと、このようなことになりやすい。事前準備の時間、添削の解答に要する時間を含めて計画的に学習を進めてほしい。
 また、類題演習の答案作成にあたっては、先ずは、なにも参照しないで標準時間内に解答するようにする必要がある。『体系化学』を調べつつ、それを真似して・・・では類題にあたる意味がない。逆にいえば、それだけ準備をしてからでないと類題演習をしてはいけないということでもある。
 とにかく時間を決めて完全に自力で一息で解くことに意味がある。それが本当の演習ということである。これは、『体系化学』が本当に理解できているかの「腕試し」なのであるから。本当の演習というからには、完璧なる立式はもちろんのこと、数値計算、図示、有効数字の処理、正答の示し方も含めて本番さながらに行う必要がある。
 入試本番では他人の目で厳しく採点されるのだ、ということを意識して解答する必要がある。ここまでしないと本当の演習力はつかない。計算過程といえども疎かにすることはできない。後で計算ミスの原因を把握できるように計算用紙も問題ごとに管理しておくべきである。ここまでやらないと得点を取る能力はなかなか高まっていかない。自分の力を測れるのは模擬試験の成績表だけではない。こういった計算用紙一枚の扱い方でも自分を知り、己を高めることができるのである。準備・予習編でも述べたが、演習は演習で、こちらもとことんこだわって行ってほしい。
 順調に流れに乗っていればこそ、秋には他流試合的な演習も考えないといけないわけで・・・。

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